大田原小唄

 大田原芸妓置屋組合作

城下町であり宿場町でもある大田原には、昭和初期のころまで

幾つかの置き屋があったということです。当然、沢山の芸妓さんが

おり、何軒もあった料亭に、旦那衆がせっせと足を運んだことで

しょう。

さてこの小唄は昭和13年頃作られたと伝えられており、大田原

芸妓置屋組合の作となっています。

現在の大田原文化協会ステージ部門長である、花柳喜乃治先生の

お師匠さん、花柳喜乃鈴さんが踊りを振り付けています。

 ステージ部門の有志が毎月、お稽古に励んでこの歌と踊りを練習

し、「与一まつり」「商工会議所の賀詞交歓会」「産業文化祭」や、

「大田原市民芸能大会」などでその成果を披露しています。

(令和2年重陽節句 田中竜真)

 

星野 尚夫 作詞

松平 信博 作曲

花柳喜乃鈴 振付

@  虹のワルツで裾野を染めて

 浮名模様の大田原

紅の塩原錦の那須が

 風で通わす

とんと通わす湯の香り

 トントサ

A茶臼日暮れて二荒茜

 八溝あたりは朧月

町の守護(まもり)鎮座(しずめ)の山

 花見雪洞(ぼんぼり)

とんと雪洞灯が揺れる

トントサ

B槍は槍持ち金銀なんぼ

 伊達な行列奥の道

道標(しるべ)金燈龍

 道中絵巻の

とんと絵巻の回想譜(スーヴェニール)

トントサ

C渡る龍城橋御城主様の

 幾世菩提の大田山

延命子育てお地蔵様が

 一生どの子も

とんとどの子も(まめ)なよに

トントサ

D成田参詣(もうで)に絵日傘忘れ

 ついで詣りのお経塚

赤い鳥居に願をかけりゃ

 卯の花曇りの

とんと曇りの 帰り道

 トントサ

E潔き心が光栄(ひかり)の泉

 乃木の霊社(たましろ)軍神(いくさがみ)

二人静かな住居(すまい)𦾔(あと)

 一人静かの

とんと静かの(しず)()(みち)

 トントサ

F那須の七草摘み摘みござれ

 蛇尾の河原は()()()(がわ)

露の情けに蛍の虫が

 奥の細道

とんと細道通うて来る

 トントサ

G好きなあの娘に扱帯(しごき)を借りて

 踊り浴衣の紅だすき

薬師・愛宕に弁天トリオ

 池の月さえ

とんと月さえ浮かれ勝ち

トントサ

H花の丈夫(ますらお)(ささ)龍譫(りんどう)

 与一誉れの紋所

空の港の金丸原

 若いパイロットが

とんとパイロットが胸に摘む

トントサ

I居待月かよ(ふし)()ち頃か

 紙捻(こより)待人(まちびと)畳算(たたみざん)

恋の太棹(ふとざお)涙の佐和利(さわり)

 仇し仲町

とんと仲町初時雨

トントサ

 

関連地図はこちら → 大田原小唄関連地図(PDF)

 

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